LION/ライオン 25年目のただいま

さまざまな感情が溢れる作品

 

簡潔に言うと、

この作品は幼い頃に離ればなれになった家族を後にGoogle earth を駆使して家族を探すという物語です。

 

それ以上でも以下でもなく、

ただそれだけの話。

 

それなのにラストは涙が止まりません。

正直この作品を観る前からラストシーンの予想はある程度できていました。

そして良くも悪くもラストシーンは期待通り。

それでも泣けるというところにこの作品の凄みを感じます。

 

あとこの映画、

登場人物たちの会話がとても少ないです。

そこも感情移入しやすい理由なのかもしれません。

登場人物たちの会話が多いと、

「自分ならこう言うのになー」と感情移入を妨げる原因にもなりますからね。

ドラクエ理論と同じですね。

大人気RPGドラゴンクエストでも主人公は一言も喋らないのですが、

それもプレイヤーが物語に入り込みやすくする為なんだそうです。

 

それと貧困問題にも考えさせられました。

むしろこの映画の1番訴えたい事はそこなんじゃないかとも思いました。

改めて貧困国の人達の暮らしの現状、

生きる難しさみたいなものを感じました。

 

やっぱり日本て恵まれてるんだなーと。

日本でもさまざまな不満がありますが、

ひとまずそんな事はどうでもよく、

まず当たり前のように食事ができること、

当たり前のように美味しいお水が飲めること、

当たり前のように清潔な服を着てること、

当たり前のように安全な場所で寝れること、

当たり前のように生きれることをかみしめて

当たり前の日常に感謝しなきゃだなと感じました。

 

最後は家族愛。

親と離ればなれになった主人公は養子に出され、

故郷インドを離れオーストリアで暮らします。

そこで愛情たっぷり育ててくれた両親。

大人になった主人公は実の家族を探そうとしますがこれまで育ててくれた両親への感謝もあり、

葛藤します。

そのシーンが非常に印象的でした。

その複雑な心情の中にも確かな家族愛があり、

そこが個人的には一番の見どころです。

 

何一つ裏切りはなく、

ある意味で想像通りの作品なのですが、

それでも私はこの作品をオススメします。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。