シュガーラッシュ・オンライン

良くも悪くもディズニー感のない映画

 

私情を挟んで感想を述べると前作「シュガー・ラッシュ」という作品が大好きな私からすると、正直期待はずれであった。

映画、とくにディズニー映画においては感情の揺さぶりを期待しているのだが、この作品においては感情の揺さぶりがまったくなかった。

ストーリーだけを観れば淡々と物語が進んだ印象。

クライマックスも大きな盛り上がりはなかったように思う。

ディズニー映画特有の一度大きく盛り上げた直後に、一気に悲しい気持ちに盛り下げ、その後ラストで最大の盛り上げを作るというのがなかった。

 

 

ただつまらなかったのかというと、

そういうわけではない。

 

歴代のプリンセスをはじめとした数々のディズニーキャラクター、

前作に引き続き様々なゲームキャラクターの出演。

こんなにオールスターの揃ったアニメはないんじゃないかという感じ。

このオールスターを観るだけでもこの映画の価値はあると思われる。

 

またディズニーにしては珍しく社会風刺のような描写がたくさんあった。

その流れは「ズートピア」の時も見られた。

ズートピア」では「差別」という今までのディズニーでは考えられない所に踏み込んでいた。

そして今回の「シュガー・ラッシュ:オンライン」では「ネット社会」についての描写がたくさんある。

ネット社会をアニメで例えていたのだが、

そこはさすがディズニーという感じ。

人々がネット広告に流れていく流れ、

検索エンジンの予測変換、

イイネの流れ、

トレンドの移り変わりなど、

とにかくすごくわかりやすかった。

 

中でもイエスの服装、髪型がシーンによってすべて異なる事が、トレンドの移り変わりの早さを表現しているというのはわかりやすい描写だった。

 

エスが語っていた、

「ネットのコメントは読んではいけない」

というセリフもすごく印象的。

現代のネット社会に生きる私達に直接向けているかのようなセリフ。

今までのディズニーというと、

どこか現実離れしたものが多かった。

そこが私は好きですが。

だからディズニー映画でこんな現実的なセリフが出るとは思わなかった。

 

ディズニー映画ではなく、

シュガー・ラッシュではなく、

アニメーション映画として観る分には充分楽しめる映画でしょう。

 

ただ、

私は前作のような感動系を期待してしまった…