アリー スター誕生
まるで1つの曲を聴いてるような映画。
最後のシーンがあるかないかでこの映画の評価はだいぶ変わるだろう(最後のシーン観ない人なんてほとんどいないだろうけど)。
すべてのシーンがクライマックスに向けての布石だったと思わせる。
例えるなら最後のシーンがサビで、
他のシーンはサビを盛り上げる為のイントロやAメロのように感じた。
途中までのストーリーは正直中だるみのような感じがして、途中で飽きてしまう人もいたのではないだろうか。しかし、主演レディーガガという事もあり合間に素晴らしい歌を披露しているためストーリーには飽きながらも映画の世界には浸ったままでいれた。
主演レディーガガ。
この部分だけでもこの映画を観る価値があるのではないか。そう思った。
まずレディーガガの素顔を初めて観た気がする。
いつも奇抜で派手なメイクをしているイメージだがこの作品ではナチュラルメイクで出演。
ふつうに美人だった。ある部分をコンプレックスにしているようだったが、まったく気にならない。つまりはふつうに美人。
あと一つ、非常に彼女に好感を持てたのがスタイルだ。
大抵の女優さんの場合、ふつう体型とは言えない完璧に近いスタイルの女優さんが多い(それは日本の女優さんにも言えること)。
しかしレディーガガはややぽっちゃり体型であり、しかもその体つきを劇中で惜しみなく表現しているところにとても好感を持てた。
彼女の普段の活動をあまり知らないのでなんとも言えないが、彼女が女性たちに支持される理由がなんとなくわかった気がした。
演技も非常に上手く、
素顔を知らなかった分、名前を伏せたら新人女優さんとして認識してただろう。
※以下ネタバレあり※
アリーがジャックと初めて出会った時にスーパーで歌った即興の歌をジャックが翌日のライブでアレンジを加えて披露したシーン。
なぜか自分はこのシーンで鳥肌がたち、うるっときてしまった。
きっとアリーに感情移入してたのだと思う。
初めてジャックと出会った時、彼は酔っ払っていた。その流れで私を褒めて、飲みに誘ったのだと思った。
スーパーで歌った即興の歌も彼は酔っ払っていた。その流れで絶賛してくれたのだと思った。
翌日もライブに誘われるがさすがに行く気になれなかった。
しかし今の職場で嫌な事があり、衝動的にジャックのライブに向かうと、彼にライブに参加しないかと誘われる。
断っていると、彼がスーパーで即興の歌を歌う。
「ああ、本当に彼は私の才能を絶賛してくれていたんだ」とここで初めて知る。
劇中のアリーも自分と同じようなリアクションだった(正確には自分がアリーと同じようなリアクション)。
ただこの映画を見終わった後はなんとも言えない喪失感がある。
感動系の映画ではないが、見終わると感情のわからない涙が流れていた。
1つの悲しいバラード曲を聴いた気持ちになった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。