パリのすてきなおじさん
「すてき」という言葉の深さがわかる本
王様のブランチで紹介されてた所を見た、
ただただパリが好き、
この2点で読み始めた。
この本、ほんとにオススメ!
根拠もなく勧めてしまったがとにかく良かった!
タイトルの通りパリのすてきなおじさんを紹介するだけなのだが、
「すてき」の種類がとにかく豊富。
言葉にすると「すてき」という言葉にしか当てはまらないが様々なすてきなおじさんが登場する。
お洒落、仕事一筋、遊び、生き様…
すべてが「すてき」の一言に尽きる。
素敵…心が惹きつけられるさま
というのが辞書的な意味だが、
まさしく書いて字のごとく心が惹きつけられてしまう。
※以下ネタバレあり
いくつかお気に入りの紹介。
まず1人目がパリ・サンジェルマンのバーを営むおじさん。
まあ単純に自分がパリ・サンジェルマン好きなだけという事もあるが、
内容も心が惹きつけられた。
小さい頃からパリ・サンジェルマンが好きで応援していたが、人種差別がエスカレートしてサポーター同士の争いで死者が出るほどに。
それからパリ・サンジェルマンのホームスタジアム、パルクデプランスでは集団での席取りは禁止となり女性も子供も観戦できる安全なスタジアムになったが、それはそれでどこか物足りないというバーの主人。
パリ・サンジェルマンにそのような歴史があった事も新しい発見だったが、
差別がなくなったのが物足りないと率直に書かれているところに心が惹きつけられた。
本来だったら多少言葉を変えるか、
その部分は書かない気がするがこの本ではそのまま書かれていた。
つぎに紹介したいのが、ホロコーストを実際に経験したおじさんの話。
正直わたしが無知なだけだがホロコーストはドイツの話だと思っていたが、
フランスにも大きく関係していたと知って驚いた。
ホロコーストに関する本は、
夜の霧やアンネの日記を読んで知ったつもりでいたが、
フランスからという視点で書かれたものは初めてだったので強い刺激を受けた。
フランスだからこそのホロコーストの悲劇もあるんだと思い知った。
内容は是非本書を読んでいただきたい。
最初はただの愉快なおじさん紹介の本かなと、
軽い気持ちで読み出したが、
様々な人種の人たちが暮らしいているパリ。
そのパリならではのおじさん達。
難民問題、テロ事件、人種差別の歴史、ホロコーストなど…
パリという世界一有名な都市の築いてきた様々な歴史を知ることができた。
ただの歴史本ではうまく伝えられない事もおじさんを通して心にしみた。
とにかく、
心が惹きつけられた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。